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「木のさじで、ちびちびと。」
モロッコヨーグル
「モロッコ」という名前の響きだけで、どこか遠い国に連れていかれるような気がした。ヨーグルト瓶そっくりの小さなプラスチック容器に詰まった、白くて甘酸っぱいクリーム。付属の薄い木のさじでそっとすくうと、フワッと口の中で溶けた。本物のヨーグルトとは全然違う——でも、それでいい。駄菓子屋の薄暗い棚で、10円玉を握りしめながら選んだ一品。ビッグカツやよっちゃんイカと並んで、あの棚の定番だった。何がそんなに好きだったのか、いまでもうまく説明できない。でも確かに、また食べたいと思う。
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