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「テレビが来たぞ。」
三種の神器
白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫——この三つに「三種の神器」という名前を与えた昭和は、家電に神話の重さを感じていた時代だった。テレビが届いた日、近所の子どもたちが茶の間に集まった。洗濯機のスイッチを初めて入れたとき、母親が静かに笑った。冷蔵庫の扉を何度も無意味に開け閉めした子どもの手。高度経済成長の坂道を、家族そろって一段ずつ上りながら手に入れたものたちだ。豊かさとはこういう形をしている、と信じられた時代の空気が、この三文字にはまだ残っている。
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