「夢のロータリーで、未来へ走れ」
ピストンを持たないエンジン——そんな常識外れの発想を、マツダは本当に市販車に載せてしまった。1967年に産声を上げたコスモスポーツのシルエットは、流線型の宇宙船そのもの。三角形のローターが滑らかに回転し、振動なく加速していく感覚は、それまでの車とは明らかに異質だった。後に『帰ってきたウルトラマン』でMAT車として画面を疾走する姿が、子どもたちの目にはさらに未来的に映った。エンジン音というより、シューンと風を切る静けさ。あの車に憧れた記憶が、どこかに残っていないだろうか。
マツダ コスモスポーツとは。 マツダ コスモスポーツとは、東洋工業(現・マツダ)が1967年5月から1972年9月にかけて製造・販売した2ドア2シータースポーツカーであり、量産に耐えうる実用ロータリーエンジンを搭載した世界初の量産車、かつ2ローター(マルチローター)ロータリーエンジンを積んだ世界初の市販車として自動車史に記録される。
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A. 1967年(昭和42年)5月に前期型(L10A型)が発売された。生産終了は1972年9月。
A. 搭載された10A型エンジンは、ピストンの代わりに三角形のローターが回転して動力を生むヴァンケルロータリーエンジンであり、量産に耐えうる実用水準を世界で初めてクリアした。さらに2ローター(マルチローター)構成の市販車用ロータリーエンジンとしても世界初だった。
A. 前期型(L10A型)343台を含む累計1,176台。限定的な手工業的生産に近い製造規模だった。
A. 1968年8月、ニュルブルクリンクで行われたマラソン・デ・ラ・ルート84時間耐久レースに参戦し、ポルシェ・ランチアに次ぐ総合4位で完走した。参加59台中の完走車はわずか26台だった。
A. 1971年放映の特撮テレビ番組『帰ってきたウルトラマン』でMAT(怪獣攻撃隊)の車両として使用された。
A. NSUヴァンケルスパイダー(1964年)は世界初のロータリーエンジン搭載市販車だが、シングルローターで実用上の課題が残っていた。コスモスポーツはそれらの課題を克服した2ローターエンジンを量産車として世界で初めて実用化した点で区別される。
Q. ヴァンケルロータリーエンジンとは何か?
A. 三角形のローターが偏心回転することで吸気・圧縮・爆発・排気を行う内燃機関。ドイツの技術者フェリックス・ヴァンケルが発明し、マツダがコスモスポーツで世界初の量産実用化を果たした。
A. マツダが1978年から2002年まで製造・販売したロータリーエンジン搭載の2ドアスポーツカー。コスモスポーツのロータリー技術を継承した代表的な後継モデル。
A. 1971年から1972年にかけてTBSで放映された円谷プロ制作の特撮テレビ番組。ウルトラマンシリーズ第3作にあたり、MAT(怪獣攻撃隊)の車両としてコスモスポーツが使用されたことでも知られる。
A. 日本自動車工業会が主催する国内最大規模の自動車展示会。コスモスポーツは1964年の同ショーで実車プロトタイプが初披露された。
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