Index No.
「鬼さんこちら、手の鳴る方へ。」
鬼ごっこ
放課後の校庭、誰かが「鬼決め!」と叫ぶと、じゃんけんか指切りが始まった。タッチされた瞬間の、あの全身に走る電流みたいな感覚。色鬼では「赤!」と叫ばれるたびに目が泳ぎ、氷鬼では固まった友達を助けようと猛ダッシュした。ルールはその日の気分で変わり、転んで膝を擦りむいても誰も止まらなかった。夕焼けが校舎に染み込んでくると「もう一回だけ!」という声が上がって、それが三回は続いた。道具もお金も要らない、体ひとつで夢中になれた。あの息切れと笑い声、誰と走っていたか、思い出せるか。
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