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「すっぱくておいしい、都こんぶ」
都こんぶ
赤い小箱をそっと開けると、あの独特の酸味と磯の香りがふわっと広がる。中野物産の都こんぶは、映画館の暗がりで、縁日の帰り道で、どこかのおばあちゃんのバッグの奥で、ひっそり存在感を放っていた。薄く切られた昆布を舌の上に乗せると、じわっとにじむうま味と酸っぱさ。ガムでも飴でもない、あの独特のおやつ感は、子どもには少し「通」な気分にさせてくれた。白い粉がついた指先をなめながら、もう一枚取り出す。そんな記憶、どこかに残っていないだろうか。
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