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「小梅ちゃん」
小梅
セロファンをくるくるとほどくと、ふわっと梅の香りが広がる。ロッテの小梅は1974年に生まれ、半世紀近く経った今も売り場の棚に静かにいる。赤と白のパッケージに描かれた和装の小梅ちゃんは、駄菓子屋の木箱にも、スーパーのレジ横にも似合った。甘さより先に来るあの酸っぱさ——舌の両端がきゅっと締まる感覚は、ほかのどのキャンディとも違った。ランドセルのポケットに一袋忍ばせ、授業の合間にこっそり一粒。口の中でゆっくり溶けていく時間は、妙に贅沢だった。あの味を思い出すとき、一緒に甘酸っぱい季節の何かも戻ってくる気がする。
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