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「僕の髪が肩まで伸びて、君と同じになったら」
吉田拓郎
ギター一本を抱えた青年が「結婚しようよ」を歌い、日本のフォークが街に降りてきた。吉田拓郎がいなければ、音楽は舞台の上のものであり続けたかもしれない。1975年夏、静岡・つま恋に数万人が集まったかぐや姫との徹夜コンサートは、野外フェスという概念が日本に根を張った夜だった。「旅の宿」の浴衣のくだり、「落陽」で歌われた岬と赤い夕日——情景が先に来て、あとから感情が追いつく。アリスや泉谷しげると並んで貸しレコード屋の棚を占拠していたあの時代、拓郎の声はラジカセから夜風の中に溶けていった。あの歌詞の一行が、誰かの青春と正確に重なっているはずだ。
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