Index No.
「俺たちに明日はない」
傷だらけの天使
新宿・紀伊国屋ビルの屋上、水漏れのするプレハブ小屋。そこに転がり込んだ木暮修(萩原健一)とアキラ(水谷豊)の生き様は、1974年秋の土曜深夜を別の国に変えた。石油ショック直後の東京、薄汚れたジーンズ、場末の酒場に流れるジャズ。ショーケンのぶっきらぼうな台詞まわしと、水谷豊の少年のような目が衝突するたびに、画面から何か生々しいものがこぼれ落ちてきた。脚本・監督が毎回変わり、アドリブが台詞を食い荒らす演出は、テレビドラマの文法を意図的に壊していた。オープニングに流れる大野克夫の曲とともに夜風の匂いを思い出す人が、今もどこかにいるはずだ。
まだ録音はありません。