Index No.
「二度と同じ模様には会えない。」
万華鏡
筒の端に目を寄せ、くるりと回す。その瞬間——赤いビーズ、青いセロファン、小さなガラス片が鏡に映えて、見たこともない花が咲く。次の瞬間には消えて、もう戻らない。マルイチの紙筒でも、百貨店の螺鈿細工の一本でも、覗き込んだときの息をのむ感覚は同じだった。光にかざすと筒の先が小さな万国旗みたいに輝いて、縁日の屋台でも駄菓子屋の棚でも、なぜか子どもの目はそこに吸い寄せられた。回すたびに宇宙が生まれて、また消える。あの筒の中に、最初に「きれい」と思ったときの自分がいる気がする。
まだ録音はありません。