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「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり」
悪魔くん
薄暗い部屋のブラウン管の中で、松島くんが呪文を唱えるたびに背中がぞわっとした。水木しげるが生み出した「悪魔くん」は、鬼太郎とはまた違う種類の恐ろしさを持っていて、善いことのために悪魔を呼ぶという逆説がどこか大人っぽかった。1966年の実写版では一万円札少年の孤独な横顔が印象的で、メフィスト二世や十二使徒の悪魔たちがずらりと並ぶ絵柄は、子どもの想像力の限界を軽く超えてきた。あの呪文を口の中でこっそり繰り返してみた夜のことを、まだ覚えている人がいるはずだ。
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