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「犯人は、まだどこかにいる。」
三億円事件
1968年12月10日の朝霧の中、白バイ警察官に扮した男が現金輸送車を止めた。積み荷は三億円。男は白煙を残して消え、以来ただの一度も姿を現さなかった。週刊誌を埋めたモンタージュ写真の少年の顔、「劇場型犯罪」という言葉が生まれる前の、純粋な昭和の驚愕——府中の住宅街に流れた七年間の緊張感は、1975年12月10日に時効という名の幕が下りても、消えることがなかった。あの事件は謎のまま神話になり、「三億円」という数字は豊かさへの渇望ごと時代に封印された。
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