Index No.
「ピーッと鳴ったら、公衆電話を探して走れ」
ポケットベル
胸ポケットがブルッと震えるより前の時代、ポケットベルは「ピーッ」という短い電子音で人を呼んだ。液晶に浮かんだ折り返し先の番号を確認して、10円玉を握りしめ街中を見回す——あの数十秒の緊張感は、スマートフォンの世代には伝えようがない。1968年にNTT(当時は電電公社)が商用サービスを開始した当初は、医師や外回りのビジネスマンが使うビジネスツールだった。ベルトに下げた小さな箱が鳴るたびに、誰かが自分を必要としているという感覚。呼び出されることが、あんなにも特別に感じられた時代があった。
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