Index No.
「どすこい!」
ベーゴマ
たらいに張った布の上、鉄の独楽がぶつかり合う音は金属の悲鳴に似ていた。ベーゴマはひもの巻き方だけで勝負が決まると言う子がいて、削り方で決まると言う子がいた。縁日の屋台で10円で買ったやつより、研ぎ屋に出してもらったやつのほうが強くて、おじさんに頼みに行くのが子どもの大仕事だった。「どすこい」と叫びながら投げ込む、あの一瞬の手首のスナップ。相手のベーゴマをはじき出した時の感触は、指先にまだ残っているかもしれない。あなたの必勝ベーゴマは、どこかの引き出しで眠っているだろうか。
まだ録音はありません。