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「正義の味方はこの世にいらない。」
ブラック・エンジェルズ
その一言が、少年漫画の文法を静かに壊した。平松伸二が描く雪藤洋士は笑わない。法律が見逃した悪を、正義という名の下ではなく、冷徹な意志だけで裁く。『週刊少年ジャンプ』のページをめくる手が止まったのは、派手な必殺技のせいではなかった。あまりにも静かな暴力と、その後に残る虚無感のせいだった。1981年、あの漫画が少年誌に載っていたこと自体が、今思えば奇跡に近い。ジャンプの他のページとは明らかに違う空気が、雪藤の登場するコマから漂っていた。正義の定義を読者に押しつけず、ただ問いとして差し出す——その誠実さが、大人になった今もずっと引っかかっている。
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