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「神様お願い、もう少しだけ」
ザ・テンプターズ
萩原健一——ショーケンがマイクを握ると、空気の温度が変わった。ザ・テンプターズのステージには、他のGSバンドとはどこか違う危うい熱量があって、「エメラルドの伝説」のサビが来るたびに客席が揺れた。甘さの中に棘があるようなショーケンの声は、ただ可愛らしかったGSシーンに初めてリアルな感情の重さを持ち込んだ気がする。「神様お願い!」がラジオから流れてきた放課後、自転車を止めて聴き入った記憶がある人もいるだろう。タイガースとテンプターズ——二つの看板がそびえていた1968年の日本の夜は、どこか特別に明るかった。
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