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「落ちるな、もっとゆっくり」
竹馬
最初の一歩を踏み出した瞬間、地面がぐらりと遠くなる。竹の軋む感触を足裏に感じながら、両腕を広げてバランスをとる。転んで膝を擦っても、また乗る。何度目かにふと「乗れてる」と気づく瞬間があって、そこからは怖くなくなった。二本の竹の上から見る校庭は、いつもより少し広かった。上手な子は片手を離したり、走ったり、段差を越えたりして見せた。道具は自分で作ることもあって、竹を切る音、足場を縛るひもの結び目——誰かに習ったのか、見様見真似だったのか、もう思い出せない。
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