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「口笛を吹いて、颯爽と逃げろ」
大脱走
あのテーマ曲のメロディーを口笛で吹けた人は少なくないはずだ。スティーブ・マックイーンがバイクで有刺鉄線に向かって走り出す瞬間、画面の前で息を止めた。1963年公開の『大脱走』は第二次大戦中の捕虜収容所からの脱出を描いた実話で、戦争映画なのに銃撃戦より知恵比べと仲間の絆が前面に出る。テレビの洋画劇場で何度も放送されるたびに視聴率が跳ね上がり、マックイーンの名前は日本の子どもたちにも届いた。夏休みの昼間に父親と並んでテレビを見た、あの居間の空気。最後のシーンを見終えた後、しばらく誰も何も言わなかった。
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