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「出前一丁、できあがり!」
出前一丁
小袋を破ると、ごまラー油の香りがふわっと立ちのぼる——あれが「出前一丁」の匂いだと、鼻が覚えている。1968年に日清食品が送り出したこの一杯は、チキンラーメンとはまた違う路線で台所に入り込んできた。出前の丼をそのままデザインしたパッケージ、そして特製ごまラー油の小袋という二段構えが新鮮で、仕上げに垂らすひと手間が「ちゃんと作った感」を出してくれた。土曜の昼、父親が鍋でお湯を沸かしながら小袋をちぎる背中。あのコマーシャルの口笛のメロディーが、台所の記憶と一緒に浮かんでくる。
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