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「傘がない」
井上陽水
1973年、『氷の世界』が日本初のミリオンセラーLPになったとき、井上陽水という名前は音楽の文脈だけでなく、言葉そのものへの感受性として刻まれた。「都会では自殺する若者が増えている」——ラジオから流れてきた「傘がない」の出だしに、当時の若者たちは息をのんだ。ベトナム戦争も社会不安も全部わかってる、でも今日は君に会いに行く傘がない。その逆説の切れ味。「少年時代」の夏の終わり、「夢の中へ」の脱力感。独特のしゃがれた声は、何十年経っても、雨の窓辺で不意に聞こえてくる。
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