Index No.
「どのレコードにしようか。」
レコード店
扉を開けると、ビニール袋越しのジャケットたちが壁一面に並んでいた。はっぴいえんど、山口百恵、ツェッペリン——ジャンルも年代も混在して、でも何となく居場所が決まっていた。試聴コーナーのヘッドフォンは少し重くて、耳のあたりがじんわり暖かくなった。店員さんの手書きポップ、新譜コーナーの輝き、帰り道に紙袋を大切に抱えた感触。シングル盤一枚にひと月分のお小遣いを全部使ったこともある。CDショップになり、タワレコになり、いまは検索一発で何でも聴ける。それでもあの、棚の前で迷った時間は、どこにも再生できない。
まだ録音はありません。