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「アンドレが、スタン・ハンセンが、紙の上で吼えた。」
プロレススーパースター列伝
梶原一騎の筆は嘘をつかない——そう信じていた時代があった。アンドレ・ザ・ジャイアントの少年期、スタン・ハンセンのラリアットが生まれた瞬間、ブルーノ・サンマルチノの孤独。実在するレスラーたちが原田久仁信の劇画タッチで描かれると、テレビで見ていた試合の意味がまるで変わった。「あの試合の裏にはそういう事情があったのか」と少年が本気で思ってしまう引力が、『プロレススーパースター列伝』にはあった。週刊少年サンデーを開くたびに、体育館の汗と革の匂いが漂ってくるような気がした。事実と虚構の境界線が溶けていた、あの豊かな読書体験は、今となっては再現不可能に近い。
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