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「クーラーのある家」
クーラー
夏休み、廊下に置いた扇風機の前で「あ〜」と声を出して遊んだ。首振りのリズムに合わせて風が来たり行ったりするのを、ただ待っていた。クーラーという言葉は知っていても、家に届いたのはずっと後のことだ。窓全開の教室で、授業中に下敷きを仰いでいると先生に注意された。氷屋のトラックが来る日だけ、台所が少し涼しかった。近所で初めてクーラーを買った家に遊びに行って、あの人工的な冷気に触れたときの感覚——「涼しい」より先に「すごい」と思ったあの瞬間を、あなたはどこで迎えただろう。
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