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「生きることは、闘うことだ」
カムイ伝
白土三平が『月刊漫画ガロ』に描いた世界は、忍者活劇の皮を被った、身分制度の残酷な解剖図だった。抜け忍となったカムイが雪原を駆け、農民の正助が土を掴んで立ち上がる——その一コマ一コマに、60年代の若者たちは自分たちの怒りを重ねた。セリフより沈黙が雄弁で、アクションより制度の壁が重い。劇画のインクの黒さが、そのまま時代の閉塞感と一致していた。全共闘の学生がボロボロになるまで読み回した、あの濃密な紙の感触。カムイは今もどこかの山中を走っているような気がする。
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