Index No.
「授業中は静かに、でも手だけが動いていた」
机の落書き
木の天板をよく見ると、誰かの名前が彫ってある。消しかけのドラえもん、先生の顔らしき落書き、好きな子のイニシャルをシャーペンでなぞった跡。チャイムが鳴るまでの時間を、机はひたすら受け止めていた。隣の席の誰かが描いた迷路を、知らぬ間に自分も進めていたこともある。学期末の大掃除で一生懸命消そうとして、でも完全には消えなかったあの線。次の年度に誰かが引き継いで、また少し足された。机の上の小さな歴史は、授業では教わらないことでいっぱいだった。
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