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「今日もトレーナーで行くか。」
トレーナー
裏起毛の内側に手を入れた時のもこもこした感触、首元のブランドロゴをちょっと見せるように着る計算。チャンピオン、プーマ、ミズノ——ロゴひとつで序列が決まりかけた、あの教室の空気。部活の朝練で泥だらけになっても、土曜の午後に着替えて出かければ立派なお出かけ着になった。スウェットとは言わずトレーナーと呼んでいた、その呼び名ごと時代の色をしている。洗いすぎてロゴがひび割れてきた頃が、いちばん馴染んで好きだった。あのくたびれた一枚、まだどこかにあるだろうか。
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