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「地図が、走る。」
カーナビ
助手席に広げた道路地図を蛍光ペンでなぞっていた時代に、ダッシュボードの小さな画面が光りはじめた。ホンダが1981年に発売した「エレクトロ・ジャイロケータ」——GPSもなく、ガスレートジャイロが自車の動きを感知して位置を推定するだけの仕組みなのに、地図の上を自分の車を示す点が動く、それだけのことが夢のように見えた。フィルム式の地図スクロール、モノクロの液晶。精度は怪しくても、ドライブがなんとなく「未来」になったあの感覚。カーナビが当たり前になった今では想像しにくい、地図と格闘していた頃のこと、覚えているだろうか。
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