Index No.
「十八番、何?」
カラオケボックス
受付カウンターで部屋番号を受け取り、薄暗い廊下を歩く。ドアを開けた瞬間の、密閉された空気とエコーのかかったマイクの感触。分厚いカタログで曲番号を手打ちするDAMのリモコン、JOYSOUNDの採点画面に映る100点の夢。フリータイムが終わる十分前にかかるスタッフのコール。コギャルもサラリーマンも中学生も、みんな同じ四畳半の宇宙で喉を枯らした。ドリンクバーのカルピスを片手に、誰かが入れた知らない曲を全員で歌ってしまう瞬間。あの個室の蛍光灯の下には、その夜だけの役者と観客がいた。
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