Index No.
「ひとりでできる、ひとりでやらなきゃ。」
魔女の宅急便
1989年夏、映画館の暗がりの中でキキが箒にまたがって飛び立った瞬間、ユーミンの「ルージュの伝言」が流れ、海風の匂いがスクリーンから漂ってくるような気がした。コリコの街の石畳、パン屋のおソノさんの大きなお腹、ジジとの他愛ない会話。そして魔法が使えなくなる、あの静かな恐怖。うまく飛べなくて、空が急に遠くなる感覚は、思春期のどこかと確かに重なった。「やさしさに包まれたなら」が流れるエンディングで、キキはまた空へ戻っていく。宮崎駿は「魔法」を特別なものとして描かなかった。それがただの、13歳の女の子の話にした。
まだ録音はありません。