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「もうひとつの土曜日が終わっていく」
浜田省吾
カセットテープが伸びるまで巻き戻して聴いた。浜田省吾の声には、きれいごとを嫌う体温があった。「路地裏の少年」の歌詞は社会への眼差しで、「もうひとつの土曜日」は恋の終わりの情景で、「悲しみは雪のように」は冬の国道の匂いがした。サングラスをかけたまま絶叫するライブの映像、客席との境界が溶けていくあの一体感。日本のブルース・スプリングスティーンと呼ぶ人もいたけれど、浜田省吾は浜田省吾だと思っていた。アルバムを一枚通して聴きながら、窓の外の夜を眺めていたあのとき——何を考えていたか、今でも少し思い出せる。
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