Index No.
「まだ回ってる、そっちの速さは?」
ハンドスピナー
指先に乗せてシュルシュルと回り続けるあの感触は、どこか中毒性があった。三叉型のベーシックなものから、ステンレス製の重みがある高級品、100均で買ったすぐブレるやつまで、机の引き出しにいくつも溜まっていった。「何分回せるか選手権」が休み時間に始まって、先生の視線を感じるたびに膝の下に隠す一連の動作が板についていた。動画サイトにはトリック集が溢れ、指の間を移動させる技を練習した。あっという間に全国の棚から消えて、でも同じ速さで忘れられていった、あの数ヶ月。
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