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「これ、1000円のかき氷だけど映えるから。」
かき氷ブーム
宇治金時や苺ミルクは昔からあった。でも2010年代後半のかき氷は、別の何かに変わっていた。奥村シェフの「埜庵」や「戦国氷菓」のふわふわの氷が雑誌に載り、行列が生まれ、一杯1500円でも「高くない」と言わせる空気が生まれた。ほうじ茶ミルク、生マンゴー、ピスタチオ——シロップの色がパステルに滲む断面をスマホで何枚も撮って、角度を探しながら溶けていく焦りも、あの夏の一部だった。削り出された薄い氷が口の中で消えていくあの瞬間、もうひと口食べるか迷っていた。
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