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「海へ出るのじゃ、助左。」
黄金の日日
1978年の大河ドラマは、海の匂いがした。信長に仕え、秀吉に翻弄され、それでも自由を手放さなかった堺の商人・呂宋助左衛門。六代目市川染五郎の若々しい眼差しと、大海原へ漕ぎ出す覚悟が画面から溢れていた。城山三郎の原作を市川森一が脚本に変えるとき、歴史劇は冒険小説の顔になった。根津甚八演じるモンキーの野生味、夏八木勲の緊張感。週に一度、日曜の夜がちゃんと特別な夜だった。黄金とは富のことではなく、誰にも奪えない意志のことだと、あのドラマは教えてくれていたかもしれない。
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