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「水の匂いがすると、夏が来たと思う。」
プール
更衣室のじっとりした湿気、プールサイドのコンクリートの熱さ、そして塩素の刺激が鼻の奥に広がる瞬間——それだけで夏の始まりがわかった。学校プールのビート板に腹ばいになってバタ足を繰り返した午前中、市民プールの流れるプールでただ漂った午後、レジャープールの滑り台に並んだ長い列。潜って目を開けると、水の底から見上げる光が揺れていた。日焼け止めなんて塗らなかった肩が、帰り道にジリジリと熱を持つ。その火照りが冷めていく夕暮れに、もう一度あの青い水面を思い出す。
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