Index No.
「カチカチと走る、あの小さな夢。」
ブリキのおもちゃ
ゼンマイを巻くたびに、手のひらにかすかな抵抗があった。ブリキの車を床に置いて指を離すと、カチカチという小気味よい音とともに直進していく。赤や青の原色がリトグラフで刷られたロボット、飛行機、動物——どれも角が鋭く、エッジで指を切りそうなほど薄いブリキ板の冷たさが、あの時代の玩具だった。戦後、日本の町工場が世界に輸出したそれらのおもちゃは、いまやニューヨークのコレクターが箱入りを探し求めるほどになった。あの金属の匂いをまだ覚えているだろうか。
まだ録音はありません。