Index No.
「応答せよ、こちら基地。どうぞ」
トランシーバーおもちゃ
電池を入れてアンテナを伸ばすだけで、ふたりの間に秘密の回線が開いた。チャンネルを合わせ、送話ボタンを押す——「ガーッ」というノイズの向こうから、友達の声が混じって聞こえてくる瞬間のあの興奮。スパイごっこでは「作戦決行」、秘密基地からは「敵が来たぞ、撤退せよ」。マブチモーターのプラモとセットで並んでいたおもちゃ屋の棚、箱絵のエージェントが格好よかった。大人のトランシーバーとはまるで違う数十メートルの届く距離が、むしろ冒険の範囲をちょうどよく区切っていた気がする。
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