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「むかーしむかし、あるところに」
まんが日本昔ばなし
市原悦子の声は一人で何役でも演じた。老婆にも子供にも、狐にも神様にもなった。常田富士男の語りは、縁側で話してくれるおじいさんのような温かみがあった。土曜の夜、『まんが日本昔ばなし』が始まると、部屋の空気が少しだけ静かになった。毎回変わる作画のタッチ——やわらかい水彩のときもあれば、墨絵のように荒々しいときもあった。「三枚のお札」の山姥が追いかけてくる場面、「耳なし芳一」の闇の深さ。怖くて布団をかぶりながら、それでも耳だけは出していた夜を、どこかで覚えていないだろうか。
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