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「ヒーローになる時それは今」
甲斐バンド
甲斐よしひろの声は、いつも少しだけ擦れていた。その掠れ方が、強がっているのに傷ついている男の声に聞こえて、ラジオのスピーカー越しに胸に刺さった。「HERO」のイントロが流れると、夜の部屋の空気が変わった。「安奈」はクリスマスに聴くには切すぎて、でもそれがちょうどよかった。アリーナを揺らすコンサートの熱量と、レコードに落ちた静けさの両方を持っていたバンド。反骨とセンチメンタルが同居するあの世界観は、70年代後半の若者の感情の輪郭そのものだった。どんな夜に、あの声を聴いていたか。
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