Index No.
「2本立て、200円。」
映画館(名画座)
薄暗い階段を下りると、重い防音扉の向こうから映写機のうなり声が漏れてきた。名画座と呼ばれた二番館・三番館には、封切り館では払えない値段で黒澤明も、ゴダールも、フェリーニも待っていた。背もたれの低いシートに身を沈めて、タバコの煙が光の帯にゆらゆら浮かぶのを眺めながら、三本分の夢を見た。ラピュタ阿佐ヶ谷、早稲田松竹、神保町シアター——名前を聞くだけで、あの黴と油と興奮の混じった空気が蘇る。あなたが最後に暗闇の中で映画と二人きりになったのは、いつだったろう。
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