Index No.
「ヒュッ——どっちに飛ぶかわからない」
ロケット花火
空き瓶の口に細い棒を差し込んで、マッチで火をつける。次の瞬間、ロケット花火はヒュッという甲高い音とともに夕暮れの空へ——あるいは予想外の方向へ。夏の空き地に広がる硝煙の匂い、地面に転がった燃え殻、逃げ遅れて笑い転げる誰か。手持ち花火より断然スリルがあって、大人には怒られることも分かっていた。それでも毎年夏になると、お小遣いを握って花火売り場の前に立った。あの「どっちに飛ぶかわからない」感じが、夏そのものだった気がする。
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