「崩す前に、撮らなきゃ。」
原宿のEgg'n Thingsに行列ができ、南青山のBill'sに1時間待ちが当たり前になったあの頃。ふわふわに膨らんだリコッタパンケーキの上にホイップクリームが崩れてゆく、甘い匂いと焼き立ての熱気。スマホを構えながら「まだ崩さないで」と誰かに言った記憶はないだろうか。パンケーキはただの食事ではなく、インスタに上げる証明書だった。週末の午後、日差しのなかで並んで待って、ようやくテーブルについた瞬間の達成感。あのふわとろの食感と一緒に、何かが特別な時代の空気を纏っていた。
パンケーキ専門店とは。 パンケーキ専門店とは、ふわふわ・とろとろ食感のパンケーキを看板メニューとする飲食店の総称で、2010年代前半に日本で社会現象規模のブームを生んだ業態である。
「パンケーキ専門店」を他のサービスで
A. 2012年に原宿のエッグスンシングスが日本1号店をオープンしたことを契機に本格化し、2013〜2015年にピークを迎えた。
A. 1974年創業のハワイ発祥のパンケーキ・レストランチェーン。日本1号店は原宿で、山盛りのホイップクリームが乗ったパンケーキが看板メニュー。
A. オーストラリア人シェフのビル・グレンジャーが考案した、リコッタチーズ入りのふわふわ厚焼きパンケーキ。「世界一の朝食」と評され、日本でもブームの象徴となった。
A. スマートフォンとインスタグラムの普及により、視覚的に映える食事が拡散しやすくなったことが主因。ホイップクリームが崩れる瞬間の写真がSNSで大量に共有された。
A. 2016年以降は落ち着いたが、スフレパンケーキや台湾カステラなど「フォトジェニックスイーツ」のトレンドに継承された。パンケーキ自体はカフェの定番メニューとして定着している。
A. 「食事を撮影してからSNSに投稿する」習慣を日本の食文化に根付かせた先駆け的ブームとして位置づけられ、その後の「インスタ映え」という概念の土台となった。
Q. インスタ映えとは何か?
A. インスタグラムに投稿した際に見栄えがよく「いいね」を集めやすい見た目・体験を指す言葉。2017年にユーキャン新語・流行語大賞を受賞した。
Q. スフレパンケーキとは何か?
A. 卵白を泡立てたメレンゲを生地に混ぜ、蒸し焼きにした極厚のふわふわパンケーキ。パンケーキブーム後期から注目を集め、現在も人気を保つ。
Q. Egg'n Thingsはハワイのどこが発祥か?
A. 1974年にホノルルで創業した。当初は深夜から早朝営業のローカル店で、長年地元客に親しまれたのちに観光客にも広まった。
Q. 2010年代の原宿・表参道エリアにはほかにどんな食のブームがあったか?
A. クレープ(竹下通り)、エッグタルト、クロナッツ、チーズドッグなど、フォトジェニックなスイーツが次々と流行した。
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