Index No.
「トイレットペーパーがなくなる!」
トイレットペーパー騒動
1973年10月31日の朝、大阪のスーパー前に列ができた。噂は噂を呼び、翌日には全国の棚が空になった。洗剤、砂糖、塩、マッチ——「なくなる」という言葉だけで人は走り出すことを、あの騒動は証明した。毎日新聞の「2倍の値段」という誤報が火に油を注ぎ、千里ニュータウンの主婦たちの行列が一夜でニュース映像になった。重ねたトイレットペーパーを両腕に抱えて帰ってきた母親の顔を覚えている人、スーパーで怒鳴り声を聞いた人——あの一週間の記憶は、情報と群衆について今も何かを語りかけてくる。
まだ録音はありません。