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「全滅」
スーパーバトル鉛筆
六角形の鉛筆を机の端で弾いて、止まった目を確認する緊張感は、どんなボードゲームにも負けなかった。ドラゴンボールのベジータ、ポケモンのリザードン──キャラが刻まれた鉛筆は筆箱の中の戦闘員で、授業中に引き出しの奥でひっそり転がされた。「かいふく」が出た瞬間の安堵、「全滅」が出た瞬間の沈黙。ダブりを持ち寄っての交換交渉、レアキャラ入りを引いた日の優越感。文具売り場の棚に並んだ100円のバトル鉛筆が、休み時間の社会を動かしていた。先生に見つかって没収されても、翌日にはまた新しいのが筆箱に入っていた。
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