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「壁に絵を飾るように、テレビを飾る時代へ」
薄型テレビ
あの重くて丸い背中が、ある日リビングから消えた。シャープのAQUOS、ソニーのBRAVIA、パナソニックのVIERA——カタログの写真を見るだけで興奮した、あのガラスのように薄い板。家電量販店で店員に連れられてデモ画面を覗き込み、発色のあまりの鮮やかさに言葉を失ったことを覚えている。エコポイント制度が背中を押し、地デジ完全移行の2011年が締め切りになって、日本中のリビングがいっせいに模様替えした。ブラウン管を粗大ゴミに出す日の、あの妙な後ろめたさ。長年一緒にいた何かと別れるような、静かな感触が手に残っている。
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