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「牛丼一筋八十年。」
牛丼戦争
2003年の冬、吉野家の券売機から「牛丼」のボタンが消えた。BSE問題による米国産牛肉の輸入停止——その報せが広まると、最後の一杯を求めて深夜の店頭に行列が伸びた。復活後の2000年代後半、すき家・松屋・吉野家の三社は280円、270円、250円と際限なく値を削り合い、リーマンショック後の薄い財布を持った人々を温かい並盛で迎え続けた。カウンターに置かれた七味と紅しょうが、つゆだくのあの香り。論じれば経済史になるけれど、あの頃の牛丼は単なる安飯ではなく、確かな日常の支えだった。
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