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「お帰りなさいませ、ご主人様」
秋葉原(オタク文化)
2000年代なかば、秋葉原の地図は毎年書き換わった。ラジオ会館の薄暗い階段を上ると同人誌が山積みで、メイド喫茶の看板が路地から手招きしていた。ガチャポン会館で全財産を溶かし、ソフマップの袋を提げてUDXの前を歩く——それだけで「秋葉原に来た」という感覚があった。「電車男」がドラマ化され、海外からの観光客がコスプレ姿で写真を撮りはじめた頃、この街は世界のどこにもない場所になっていた。あの猥雑さと自由さは、再開発のクレーンが動き出す前の話。初めてひとりで降りた駅の出口を、まだ覚えているか。
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