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「スケキヨ……」
犬神家の一族
湖面からのぞく、白いマスクと逆さの足。1976年の夏、市川崑監督の『犬神家の一族』は映画館の客を凍りつかせた。石坂浩二の金田一耕助が煤けた旅館の廊下を歩き、佐清のガーゼ越しの視線が追いかける。犬神家の遺産をめぐる骨肉の争い、次々と変形してゆく死体——横溝正史の緻密な構造が、角川の宣伝戦略と映像美で一気に爆発した。ポスターの視覚的な衝撃は、文字通り「見る」前から恐怖を植え付けた。あのマスクの顔を、あなたは今でも夢で見るか。
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