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「市、手を貸せ。」
佐武と市捕物控
目は見えない。だが刀を抜けば誰も敵わない——盲目の居合使い・市と、岡っ引き見習いの少年・佐武。石ノ森章太郎が「COM」誌上に描いたこの時代劇漫画は、ヒーロー物の派手さとは一線を画す、静かで鋭い物語だった。江戸の路地の湿った空気、研ぎ澄まされた緊張感、そして市の白い眼が捉える「見えないはずのもの」。1968年にはモノクロのテレビアニメとなり、その陰影ある映像美は今も語り継がれる。石ノ森作品の中でも異色の渋さをもつ一作——読んだことのある人なら、あの独特の「間」をまだ覚えているはずだ。
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