Index No.
「ぼくは王子、だけど姫でもある。」
リボンの騎士
男の子の心と女の子の心、二つを胸に持って生まれたサファイア王子。手塚治虫が少女雑誌『なかよし』に描き始めたのは1953年のことで、少女漫画がまだ「かわいい絵」の集積だった時代に、剣を持ち、恋をし、王座をめぐる物語を持ち込んだ。宝塚歌劇の舞台から着想を得た華やかさと、アイデンティティをめぐる深いテーマが同居していた。フランツ王子との恋、悪役ヘケートの暗躍、天使チンクのいたずら——少女たちはページをめくる手を止められなかった。1967年のアニメ版も含め、サファイアが振り向くたびに、何かが胸をかすめた。あの感覚に、名前をつけられた人はどれくらいいるだろう。
まだ録音はありません。