Index No.
「しあわせがもどってくるくる。」
ハッピーターン
袋を開けた瞬間、甘じょっぱい粉の香りがふわりと広がる。楕円形の薄いせんべいの表面を覆う、亀田製菓の「ハッピーパウダー」——あれを指ごとなめずにはいられなかった。1976年の発売当初、オイルショック後の暗い世相に「幸せが戻ってくる」という名前で生まれたこのお菓子は、子供のおやつの定番として気づけば半世紀近く生き続けている。友達の家で袋を回して食べたあの感覚、残り少なくなったとき誰が最後の一枚を食べるかの駆け引き。粉が多い個体を引き当てたときの小さな幸運。あの味を思い出すと、どこか懐かしい午後の光が一緒に蘇る。
まだ録音はありません。