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「コリコリ、ぷるぷる、あれはなんだ。」
ナタデココブーム
1993年の夏、ドリンクバーのカップの底で何かが跳ねた。透明で白っぽくて、噛むとコリコリして、でも寒天でもグミでもない——それがナタデコだった。フィリピン発祥のそのデザートは、ファミレスのパフェからコンビニのゼリーまで、気づけば日本中に浸透していた。ブームのピークにはフィリピンの工場が増産に追いつかないほどの熱狂。なのに翌年にはもう、話題にのぼることが減っていた。あの独特の食感のことを、いつかふと思い出す瞬間がある。90年代のグルメブームは、どれも一瞬の花火みたいに鮮やかで、潔く消えた。
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